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環境税は深い議論と、国際的なバランス整備を 2005年11月
環境税論議が盛んになってきました。地球温暖化に伴い、CO2などの排出量を少しでも減らすため、またCO2などの排出量に応じて、温暖化対策予算の財源を支払ってもらうためという考え方に基づいたものです。環境省は、省の案を提出しましたが、まだまだ議論の余地が残されています。
環境税は、いわゆる温室効果ガスの排出量に応じて、工場や企業、家庭などから負担を求める税です。その意味では、公平性や透明性に優れた税であるということができます。
環境省案は、すべての化石燃料と電気に課税。税率は炭素1トンあたり、2400円で、たとえば、ガソリンでは、1リットルあたり1・5円の負担増となり、家計への負担は年間約3000円。企業の負担とあわせ、年間約4900億円の税収を見込んでいます。
環境税の考え方には賛成です。地球温暖化対策はまったなしの状況であり、我々のライフスタイルや企業のシステムを環境に優しいものに変えていくためには、こうした考え方にはおおいに賛同します。しかし、今回の環境税論議は少し拙速で、問題点があるのではないかという気がします。
1つは国際間における取り組みのバランスの問題です。現状では、アメリカや中国などが京都議定書を批准していないなど、国際的な状況が整っていません。わが国だけが環境税を課せば、企業は中国などに工場を移すでしょう。環境問題は地球全体の問題で、わが国がいかに環境対策を行っても、隣国が全く対策を行わなければ、意味がありません。
また、新たな負担は、わが国企業の国際競争力の低下を招きかねず、せっかく回復しかけた景気に水を差し、雇用や景気に影響を与えることも考えられます。わが国企業は今日までエネルギー効率を高めるための研究開発や投資を積極的に行い、現在、エネルギー効率は、諸外国に比べても格段に効率的な状況です。今のままでは、非常に努力している国だけが損をして、対策をしない国が結果的に得をするということにもなりかねません。
また、低所得者や中小企業への配慮についても、議論がなされているとはいえません。
環境税は国際的な枠組みで課すべきです。よく引き合いに出される欧州の環境税も、@消費税率が25%を超えており、今以上上げられないAイギリスは石油が非課税、ドイツは石炭が非課税など国家戦略に基づいている、など、それぞれの事情、戦略があります。
本来ならば、世界一律に環境税を課し、それを国連の収入として温暖化対策を行うなど、全世界合意の下で行うのが筋です。化石燃料を使っている国ほど、国際社会に対して、温暖化対策の費用を負担するという本来の環境税が持つべき意味を行使できるのではないかと考えるからです。その国際的な環境整備をわが国が中心となって行う。これが環境税について、日本の果たしていくべき役割ではないでしょうか。
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