活動報告

決算行政委員会外務省関連質疑 2008年4月

決算行政監視委員会において、外務大臣らに質問をいたしました。中国問題、ODA改革、国連などについて聞きましたので、概要を報告します。国連改革の見通しやODAの効率化などについて議論をいたしました。


薗浦 今日は、主に国連の分担金と、oda改革について伺いたい。その前に、チベットとオリンピックについて大臣に認識をお伺いしたい。チベット問題は、人権問題という側面が大きい。人権問題ということは、国際的に取り組まなければならない問題だ。大臣の認識はどうか。

高村大臣 チベットの地位の問題は、内政問題だ。ただ、その中で起こるもろもろのことは人権問題になり得る。まさに人権問題として国際社会が注目をしている。日本を含む国際社会が注目をしている。ダライ・ラマ十四世の側が言うことと中国政府が言うことと、事実関係が必ずしも同じでない。だからこそ、日本政府としては、中国側にもっと透明性を増してもらいたいと言い続けている。事案の概要が国際社会にわかるようにしなさい、わかるようにならないと、どうしても、強い側が言っているのがおかしいのではないか。それと同時に、ダライ・ラマ十四世の側と条件をつけずに話し合いをしてみたらどうですかということを申し上げている。

薗浦 軍事費の話にしても大変透明性が薄い国だというのは、認識せねばならぬことだ。今のチベットの話で、世界各国での聖火リレーで大変混乱が起こっている。今度日本にやってくるが、青い服を着た聖火防衛隊なるものが一緒に横を走っている。あれは武装警察の警察員だというような話も出ている。もし我が国が受け入れるということになれば、我が国の主権はどうなるんだという話になる。主権国家として、我が国の警察でやるべきだ。聖火防衛隊を、我が国の聖火リレーにおいて、受け入れる考えなのか、もしくは、主権国家として、我が国の警察できちっとやるべきだと考えているのか。

高村大臣 私の認識として、聖火防衛隊というのが何者であるかということがはっきりわからない。どういう形で走りたいと言っているのか、言っていないかということも、ちょっと正確にはよくわからないが、日本の警備は主権国家日本の中できっちりやるのが基本であるということは、それはそのとおりだ。

薗浦 日本側でやると聞き、安心した。さて、ヨーロッパの方で今、オリンピックの開会式をボイコットするとか、出ないとかという話が出ている。そもそも、我が国に、中国オリンピック委員会もしくは中国政府から、オリンピックの開会式への招待状はきているのか。

外務省 個別具体的な政府要人に対する招待状ということでいえば、つまびらかにしていない。政府要人の出席については、諸般の事情を総合的に考慮して検討する。日本政府としてだれが出席するということを決めているわけではない。

薗浦 だれが出席するかというのはこれからの判断だと分かっている。招待状が来ているのかということをお伺いしている。

外務省 口頭で、オリンピックへの出席ということについては、いろいろな形で話はある。正式の招待状というようなことについては、この場で確認できません。

薗浦 大臣が判断なさることだが、チベットの問題や、デモも起こっており、中国に行ったら危ないので行くのをやめるなどと言った世論調査の結果も聞いている。その辺は大変慎重に御判断をいただきたい。

高村大臣 基本的に、北京オリンピックは成功してもらいたい。私たちとすれば、こうした方が成功するのに資するのではないですかということを中国側にいろいろ申し上げているところだ。

薗浦 国連の分担金について伺いたい。06年までは20%近い分担金を我が国が負担していた。07年からは、16・6%ぐらいで、少し分担率が減った。ただ、国民の税金を国連に対して払っていることは事実だ。そんな中で、我が国の立場が国連の中でどうなのかというものを考えたときに、死文化をしているという話もあるが、あの組織には、第二次大戦の敗戦国に対する、いわゆる旧敵国条項というものがいまだに残っている。死文化したとはいえ、批准の手続を各国でやって、総会を開いてやらなきゃならない。削除の具体的な見通しは立っているのか。

高村大臣 次に国連憲章が改正されるときは削除されるということにほとんどの国のコンセンサスが得られている。余りこの問題だけを、敵国条項を削除せよということだけ強く言うと、何だ、日本は、常任理事国に入りたい、国連改革をするんだといっても、落としどころはそこだけでいいんだと誤解されてしまう恐れがある。我々が国連憲章を改正するときは、もっと大きな改革をなし遂げるというときに、改正に結びつけたいと思っている。

薗浦 安保理改革の話だが、51カ国でスタートした国連は、今もう190カ国を超えた。安全保障理事会の構成国は、最初は51カ国の中で11カ国あった。率にして5分の1以上。今、190カ国にもなったにもかかわらず、非常任も含めて15カ国。やはり安全保障理事会というもののあり方も考えていくべきだし、我が国が継続的に取り組んでいることも承知している。具体的に安保理改革が今どういう状況にあり、我が国がどこと組んでどういう話をして、そこから先、いわゆるタイムスケジュールも含めてどういう見通しを持っておられるのか。分担金を多く払っているから言うことを聞けという話ではないが、税金を納めている側からすれば、敵国などとは一体何だよとなる。見通しを今具体的にお持ちであれば、いろいろ駆け引きもありますので、しゃべれる範囲内で結構なので、お聞きしたい。

高村大臣 国際社会が21世紀の課題に効果的に対処する上で、安保理を改革することは、引き続き国際社会の喫緊の課題であり、安保理改革実現に向けた試みは続いている。我が国としては、引き続き、安保理改革の早期実現及び常任理事国入りを目指す考えであり、g4各国を含む主要国を初め、各国と検討を進めるとともに、国連での議論にも積極的に参加していく考えだ。今国連総会中にも、何か動くところがあれば動かそうと一生懸命やっているところだ。

薗浦 できるだけ早くというふうに願っている。国連の職員の話だが、例えば、国際標準を決めるような委員会とか、世界への影響が多い委員会に、いろいろな国が組織的に国連の職員をふやして、人を送り込んで影響力を強めている。もちろん、国連ですから各国共通の利害のために動くとはいいながらも、やはり出身国というものの影響力は否めないと思う。我が国も、人を養成して、職員をもっと送り込んで、発言力を強めるような作業がこれから必要だと、私は思っている。外務省の考えを伺う。

宇野外務大臣
政務官
現在、国連機関で働いている専門職以上の邦人職員について、平成19年1月時点で、676名だ。平成14年の521名から、5年間で約3割増加をしている。政府、国際機関双方の努力と、若手を中心とする人材のすそ野の広がりがかみ合ってきた結果だ。従来より、国際機関における邦人職員増強の重要性を認識しており、将来国際機関での勤務を希望する35歳以下の若手邦人を対象に、我が国の費用負担で国際機関に派遣し、国際機関への就職に必要な経験を積んでもらうジュニア・プロフェッショナル・オフィサー制度がある。これまでの国際機関への邦人職員の派遣人数は、1223人だ。平成20年度の予算は12億1千万円、新規派遣予定人数は42名となっている。諸外国においての状況は、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン等が、我が国と同様に政府の費用負担で自国民を国際機関に派遣する制度を有している。今後も、派遣制度を初め、国際機関就職に係る各種情報の周知、広報等必要な支援措置を積極的に行っていく。

薗浦 限られた予算の中で難しいだろうが、国のために無駄ではないお金だ。これからも引き続きやっていただきたい。次に、oda改革についてお伺いしたい。去年、自民党総合政策研究所の研究会で中国に行った。大連、北京といろいろな都市を回ってきた。その中で、内陸部の銀川という都市に伺った。そこで何をやっているかというと、odaで技術協力をして、植林、いわゆる緑化事業をやっている。貯水池をつくってかんがい設備をつくるのは円借、日本のカネでやっている。植林の木を提供するのも円借でやっている。そこに、記念館みたいなものがある。要は植林記念館。そこの植林記念館の中に一歩入ると、トウショウヘイさんとか江沢民さんとか、要は中国の主席経験者の肖像が4人並んでいる。ジャパンのjの字がどこにもない。これは円借款でやっているんじゃないのか、この建物は何だと聞いた。すると、かんがいと植林は日本のお金でやったけれども、この建物は中国のお金で建てましたから日本の字はありませんというのが彼らの答えだった。これでは、円借款でやったのは分からない、日本国民の税金が使われているのだという話をした。彼らは、外の貯水池にその記念プレートがあるという。ところが、貯水池に行くと、プレートがない。どこを見ても見えない。プレートはどこにあるのだと聞くと、今は貯水池に水をためているので水没しています、水の中で見えませんと。抗議をしたら、1カ月ぐらいたって写真が届いて、今度は貯水池の上の方に、円借款でやった事業ですよと分かるように書いている。何を言いたいかというと、国民の税金を使って、これではodaの意味が余りない。そういったチェック、現地の人たちが、きちんとチェックする必要がある。そのチェック体制というのは、どこがやっていて、最終的にどこが責任を持って、大臣のところにはどういう形の報告が上がってきているのか。

外務省 日本の援助でやったプロジェクトに、例えば日の丸とかodaマークをつける。こういったことは、基本的に大使館とかあるいはjica、jbicの駐在事務所とか、現地の方でいろいろお願いをしている。現地サイドでの働きかけが中心だ。

薗浦 きちっとやるべきだ。働きかけというレベルだけではなく、措置をきちっとするべきだと思うが。

高村大臣 odaというのは、日本国の国民の税金でやる、相手国民に喜んでもらう、喜んでもらったそのことが我が国の援助でできたということも知ってもらう、その結果、我が国の外交を展開する上にも役に立つ、そのことがまた日本国民によく知られる。そういうことで、odaの理解が得られて、いい循環になっていく。ですから、基本的に、どこの国でも、その国の国民に知らせる努力というのは日本国政府自体でしていかなければいけない、相手国に要求していかなければいけない。私自身のことで言うと、10年ぐらい前、外務政務次官だったとき、中国に行って、余り知られていないということに気がついた。そのとき以来ずっと努力をして、会うたびに言っている。もっと知らせてくださいよと。感謝しろとは言わないから、知らせることだけはしてくれ、こういうことはいつも言っている。今、10年前と比べれば、それはもう段違いに知らせる努力をし、中国側もそれなりに、中国にかかわらず世界各国ともそれなりに努力をしてくれている。まだまだ不十分なところはありますから、また気がついたら指摘をしてほしい。

薗浦 現地の大使館が最終的にチェックをして確認をするのか、jicaなりjbicが確認をして責任を持つのかというところが非常にあいまいだ。大臣のリーダーシップで、最終的にはここが責任を持つというのをお決めいただき、これから進めていただきたい。

高村大臣 基本的に共同責任だ。できていなかったら両方が責任を感じる。共同責任は無責任じゃなくて、共同責任はあくまで共同の責任だ、こういうことでやってもらいたい。

薗浦 さて、odaの予算が限られており、アフリカの小学校をつくるときに、現地発注を入れて単価を下げようという制度を始めた。一昨年ぐらいから始めたと思うが、具体的に、このぐらいのコストが削減できましたという数字は、示せるか。

宇野外務大臣
政務官
コミュニティー開発支援制度だが、途上国におけるコミュニティーの総合的能力開発の支援を目的とするとともに、現地仕様の設計、施工段階における現地業者の活用によるコスト削減を目指して平成18年度から入れられた制度だ。平成19年2月に公表した「odaの点検と改善 2006」において、学校建設案件について、平成19年度から平成23年度までの5年間の平均で30%以上のコスト縮減を目指すとした。ちなみに、平成19年度の学校建設案件においては、このコスト縮減目標を達成できる見込みだ。

薗浦 よく聞くのが、一番もうけているのは日本のコンサルじゃないかというような話だ。30%以上削減できるということは、逆に言えば、今まで問題があったということではないか。このコスト削減をぜひ各地でやるべきだ。5年間でこれをやってみて、うまくいったらその先やろうじゃなくて、今年、来年、出来るところから、前倒しをして体制を広げるべきだ。

宇野外務大臣
政務官
平成19年度においては10件以上の案件の実施を目指すということを先ほどの「点検と改善」において言っている。19年度においては目標案件数を上回る12件の実施決定を行った。この内訳は、アフリカ地域8件、アジア地域2件、中南米地域2件だ。この制度については、他の地域の援助についてもこたえていくつもりだ。

薗浦 最後に大使館の話を伺う。日本は世界第2位の経済大国だ。経済力に比べて、大使館が非常に少ないのではないか。今、大体120そこそこの大使館で日本はやっている。他の先進国は、150内外の大使館を備えているというのが一般的だ。お金がかかる話なので、簡単にはいかないが、今後の計画は。

宇野外務大臣
政務官
今後10年間で150大使館体制を目指すべきという提言をいただいている。平成20年度には7公館の新設をし、昨年度には6公館の新設をしたということで、何とか10年間で150にしていきたい。


一覧に戻る