活動報告

原油高騰対策中間報告がまとまる 2007年11月

1.現状認識

(1) 最近、原油価格は異常な高騰をみせ、本年11月23日には原油価格の国際指標となっているWTI価格で98.18ドルの史上最高値(終値)を記録するなど依然高水準で推移している。

(2) こうした価格高騰は、気象環境の厳しい地域を中心に国民生活を直撃し、十分な価格転嫁を行い難い漁業、農業、運送業や中小企業をはじめとする我が国産業にも深刻な影響をもたらしている。例えば、本年11月27日に発表された中小企業約1000社に対する調査結果においても、原油価格高騰により収益が圧迫されている企業は9割を超え、価格転嫁が全くできていない企業は6割、40%以上転嫁できている企業は1割にも満たない。

(3) このような状況は、責任ある与党として看過しうるものではなく、生活の安心・安全、産業の活力、地域の活性化を確保するため、党として緊急かつ迅速に対策を講じることが必要である。



2.対策の基本的考え方

(1) 原油価格高騰の背景には、金融市場から原油市場に大量の資金が流入している影響も大きいと考えられるものの、世界的な石油需要の増加等構造的要因に負う面があることも事実。今後短期間内に原油価格が大きく低下することを期待することは難しく、価格が当面高い水準で推移するといった事態も念頭に置かざるを得ない。

(2) したがって、今般の原油価格高騰への対策を講じるに当たっては、その場凌ぎのばらまきに陥ることなく、特に深刻な影響を受けている国民や産業分野に重点化しつつ、省エネルギーの推進等構造面の改革との整合性にも留意することが重要。また、資源外交の強化等我が国のエネルギー安全保障の確保のための息の長い取組みについても不断に進めることが必要で ある。

(3) こうした対策を進めるに際しては、今年度予算等の執行、現在予算・税制要求中の施策の実現、行政指導、更に必要な範囲で補正予算の編成も辞することなく、政策資源を総動員し、果敢かつ迅速に対応すべきである。



3.当面の具体的対策(例)

中小企業関係
・ 中小企業向け金融・信用補完の基盤強化
原油高で苦しむ中小企業の資金調達を円滑化するため、中小企業向け金融・信用補完の基盤強化に向けた財政支援等
・ 政府系金融機関の既往貸付金の返済条件の緩和
原油高で苦しむ中小企業への既往貸付金の返済繰り延べ等
・下請企業等の価格転嫁対策(独禁法、下請法の厳格な運用等)
原油高によるコスト増の転嫁を不当に妨げる事業者に対して、独禁法に係る不公正な取引方法や下請法に基づく積極的な対応の実施等 親事業者及び関係団体に対し、原油高騰に伴う下請中小企業者への配慮の要請文書の発出等

漁業関係
・ 漁業経営の体質強化への支援
原油高で苦しむ漁業者の経営体質を強化するため、基金を設置して対策を実施等
・ 省エネ設備の導入支援
漁船用高効率エンジンなどの漁業関連省エネ設備の導入を支援

運送業関係
・ 高速道路料金の引下げ
原油高で苦しむ運送事業者の負担軽減などのため、道路特定財源を活用して高速道路料金を引下げ
・ トラック運送業の下請・荷主適正取引の推進(緊急協力要請の実施、ガイドラインの策定等)
円滑な価格転嫁に向け、荷主団体等への緊急協力要請を早急に行うとともに、ガイドラインを本年度中の可及的速やかな時期に策定
・ 省エネ設備等の導入支援
トラック事業者などの運輸関連省エネ設備等の導入を支援

条件不利地域(離島等)関係
・ 離島航路の維持対策
離島航路の維持・確保のため、支援を拡充し、さらに支援制度の見直しを検討
・ 離島等コミューター航空路線の維持対策
離島を含め地域におけるコミューター航空路線の維持・確保のための支援策等の早急な検討
・ 地方バス路線の維持対策
地域住民の生活の足として必要なバス路線の維持・確保のための補助拡充等により支援

生活衛生関係営業関係
・ 生活衛生関係営業者対策向け政策金融による支援
原油高で苦しむクリーニング業、公衆浴場等の経営安定のため、資金繰りの安定化を図るための支援等
・ 国民生活金融公庫の既往貸付金の返済条件の緩和
原油高で苦しむ生活衛生関係営業者への既往貸付金の返済繰り延べ等

横断的取組み
・ バイオ燃料の導入促進
バイオエタノール混合ガソリンの普及を図るための、モデル事業への助成、税制措置、食料と競合しないセルロース系バイオエタノール技術の開発促進等
・ 石油製品の安定供給基盤の確保 原油高で仕入価格高騰等に苦しむ石油販売事業者の資金繰りの安定のため、信用保証などの基金を造成等
・生活困窮者への支援
寒冷地における生活困窮者への支援方策については、生活福祉資金の貸付の活用を周知することに加え、さらなる支援方策について検討

国際原油市場の安定化への取組
国際機関・産油国への働きかけ、消費国の連携等によるマーケットやプレーヤーへのメッセージの発信等(例えば、省エネ投資の加速及びGTL(Gas to Liquids)・MH(メタンハイドレード)、再生可能エネルギー、IGCC(石炭ガス化複合発電)・CCS(二酸化炭素回収貯留)等石炭のクリーン利用、原子力などの代替エネルギー開発・利用の促進のメッセージの発出等)


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